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メガネレンズの基礎知識

レンズ素材とコーティング

レンズ素材

レンズの素材は、主にプラスチックレンズとガラスレンズに大別される。現在ではプラスチックレンズが主流となって流通しているが、それぞれに素材としての特徴があり、使用目的によっては素材を選定する必要があります。

「プラスチックレンズ」
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べ軽量で、割れにくいといった安全性の高い素材です。また、レンズの種類が豊富で、様々なカラーバリエーション、コーティングに対応しています。しかし、ガラスレンズと比較すると熱や傷に弱い面ので、取り扱いに注意する必要があります。

長所
・軽い(ズレにくい)
・割れにくい(安全性が高い)
・カラーバリエーションが豊富

短所
・ガラスに比べてキズがつく
・ガラスに比べて厚くなる
・耐熱性が低い

「ガラスレンズ」
傷や熱に強く、最も薄くレンズを仕上げることができるため、多くは強度近視の方などが使用されることが多い。また耐用年数がプラスチックレンズよりも比較的長くなります。しかしレンズが重くなること、衝撃に弱いなどの点で、現在はご使用される方はとても少ない。

長所
・キズがつきにくい
・最も薄く仕上げることができる
・熱に強い

短所
・重い
・割れやすい(安全性が低い)
・カラーバリエーショは少ない

レンズコーティング

無防備なプラスチックレンズの生地を、幾層にも重ねた「コーティング」で守っています。しかし各コーティングは極めて薄い膜のため、使い方によってはキズが付いたりコート膜が剥がれたりします。プラスチックレンズの性質をよく理解し、正しい扱い方を心がけることが大切です。

基本の3種類のコーティング
■ ハードコート [キズ防止コート]
プラスチックレンズの場合、レンズ素材が外にむき出しだと簡単にキズがついてしまいます。そのような軽いキズを防ぐコーティングです。
■マルチコート[反射防止コート]
レンズ表面の反射を防ぎ、視界を明るくさせるコーティングです。マルチの反射色はグリーンが一般的です。
■ 撥水コート
レンズ表面の撥水性能を向上させたコーティングです。フッ素膜の改良により、水や油をはじくため、汚れが付きにくくなります。

コートはがれの要因

◆ コート剥がれは修理ができません ◆
プラスチックレンズの表面に装着してあるコーティングは、一度剥がれてしまうと再生することは不可能です。
コート剥がれの要因としては以下のものが挙げられます。
○キズからのコート剥がれ
○熱によるクラックからのコート剥がれ
○化学製品などによるコート剥がれ
○水ヤケからのコート剥がれ

拭きキズ
プラスチックレンズの素材は柔らかいため、キズに強いコーティングを施していても、扱い方によっては簡単にキズが付いてしまいます。
■レンズに異物が付着しているときは、カラ拭きせず、一旦水洗いしたあと水気をきれいに拭き取り、そのあと「レンズ専用メガネ拭き」で軽く拭いて下さい。

熱によるひび割れ(クラック)
プラスチックレンズの素材は熱を加えると膨張するという性質を持っています。一方、反射防止コートは金属成分が含まれており、膨張・収縮などには対応できないため、レンズ素材が膨張するとひび割れが生じてしまいます。
■メガネに熱を与える行為、ストーブ、たき火、炎天下の車中の放置、ヘアドライヤーの使用の際は特に注意が必要です。

化学製品などによる溶解
化学製品や化粧品、薬品などがレンズ表面に付着すると、その成分によっては表面のコーティングが溶けてしまい、シミのような状態になる場合があります。
■レンズに整髪料・ヘアスプレー・化粧品・薬剤(トイレ・浴用洗剤)・汗・レモンなどの果汁が付いた時はすぐに水洗いをし、すぐによく拭き取って下さい。